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20130512

小名浜港


Onahama Port

Project

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2013年5月12日 小名浜港 
   みんなで大空を見上げようプロジェクト

スイスの腕時計メーカーであるブライトリング(BREITLING)社がオフィシャルスポンサーをつとめるブライトリング・ジェットチームのアジアツアーが行われ、そのトリとして同チームが初来日しました。各地でイベントが開催されていましたが最終日の小名浜でのアクロバットを見ようと足を運びました。しかしそこには航空イベントの厳しい現実が…。

小名浜港 三崎公園

ブライトリング・ジェットチームアジアツアーの最終イベントは福島県いわき市にある小名浜沖でアクロバット飛行が予定されていました。自衛隊の航空祭とは勝手が違うのでどこで撮影していいのかかなり迷ったため、早めに現地について撮影場所を決めることにしました。最近ではGoogle Mapなど地図情報が充実しているので事前の予測も立てやすくはなりましたが、それでもやはり画面で見るのと現場に立つのとでは大きくイメージが違うものです。今回はイベント会場ではなく、小名浜港で半島状になっている三崎公園に着目してみました。

 

小名浜港 三崎公園

三崎公園は高台に配置されたたいへん広くて美しい公園で、駐車場も用意してある素晴らしい場所でした。公園はいくつかのゾーンに分かれていて、この中を散策するだけでも楽しいと思います。またレストランや自動販売機、トイレも設置されていますので大変恵まれた撮影環境であり、小名浜港をイベント会場に指定したのは正解だと思いました。

 

いわきマリンタワー

小名浜港のランドマークであるいわきマリンタワー。入場料は大人320円で、展望台からは小名浜港が一望できます。ここに上れば洋上でアクロバットを行うブライトリング・ジェットチームを俯瞰する構図で撮影できる…と考える人も多かったと思います。

 

編隊飛行

このところ編隊飛行を撮影することが少なかったのでちょっと練習。少し乱れ気味の4羽編隊でしたがカメラのモードセッティング、動作確認もこれで完了です。

 

三崎公園 芝生広場

朝8時15分。初めて訪れる場所でもあり海上でのアクロバットの撮影経験もなかったので、フライトまでたっぷりとある時間を使ってロケハンを楽しみました。

 

三崎公園 海望広場

ブライトリング・ジェットチームのフライトが行われる空域に最も近そうな海望広場です。早い時間にもかかわらず既にギャラリーもかなり集まっていました。

 

三崎公園 海望広場

いざ公園から海を望むと、随所に松の木が生えていて写真は撮りにくいことがわかりました。場所は広いのですがカメラを振れるスペースをと考えると、意外と立ち位置は限られてしまいます。自分のポジションを決めたのでここから3時間は移動しないことを決心しました。

 

小名浜港

小名浜港は福島県最大の港で、観光地としての役割を持っているそうです。この公園とは別の場所ですが、「いわき・ら・ら・ミュウ」という商業施設があり、そちらが今回のイベント会場の中心でした。その他にも水族館や遊覧船なども楽しめるようです。

 

いわき マリンタワー

とてもいいポジションという一言に尽きます。横に並べる人数は限られてしまいますが、この高さなら海の上を飛ぶブライトリング・ジェットチームを見下ろすようなアングルで撮影できると思います。あとは望遠レンズでどれだけ寄れるのかというところに興味がありますね。

 

ボート

小名浜港は大きな港ですが、この日の船の出入りはかなり少なめという印象でした。船の往来でもあれば時間つぶしにもってこいだったのですが…。ボートや海鳥など動くものがあればとりあえずレンズを向けてしまうのはカメラマンの生態ですね。

 

小名浜港

9時53分。もうそろそろ室屋氏のフライトにむけて気分が高まってくるという時間帯でしたが少し嫌な雲が見えてきました。

 

小名浜港

10時00分ジャスト。信じられない光景でしたが、ほんの数分という短い時間のうちに美しい青空は消えて一面白い霧に包まれてしまいました。その様はまるで夢を見ているようでした。

 

小名浜港

10時02分。完全に水平線が隠れてしまいました。室屋氏のアクロバットフライトまであと約30分。果たしてそれまでに視程は回復するのでしょうか。海は時に試練を与えるものだ…と思いました。

 

いわき マリンタワー

10時03分。近くにあるマリンタワーさえも見えなくなってしまいました。これではアクロバットフライトなど無理であることは航空機ファンでなくとも一目瞭然です。このような経験は以前に松島基地航空祭でも経験したことがありますが、東北沿岸ではよく海霧が発生するそうです。特に雨上がりの晴れの時に起きやすいのだと地元の漁師の方に教えていただきました。

 

三崎公園

室屋氏の航空機は福島空港を離陸し、この小名浜港へと飛来します。その様子はツイッターでも公開されていたので福島空港の様子を知ることができました。福島空港周辺は快晴であり、まさか小名浜がこのような霧に包まれていることは把握できていなかった模様でした。音はすれども姿は見えず…、室屋氏は操縦するエクストラ300Sはアクロバットをキャンセルし、福島空港へ戻っていきました。情報では福島空港到着時にアクロバット飛行を披露したとか…。ずるい。

 

いわきマリンタワー

11時39分。本来であればあと10分もすればブライトリング・ジェットチームが姿を見せるという時間ですが、離陸したという情報も入りません。視程は少し回復したようでマリンタワーの姿は見えるようになりましたが、晴天への回復というにはまだ程遠い状況です。

 

小名浜港

ブライトリング・ジェットチームはスケジュールを変更し、天候の回復を待って日没まで待機すると発表しました。このイベントのタイトルでもあるように震災被災地の方に空を見上げてもらいたい!という姿勢の表れだそうです。商業的には「BREITLING」のロゴをできるだけ多くの人に、多くのメディアに取り上げられることが本来の目的だということはわかりますし、勘ぐりたくもなります。しかし本日の帰国をキャンセルしたと言われると、素晴らしいエアマン魂だと感心するしかありませんでした。

 

エクストラ300S

13時42分。室屋義秀さんが駆る黄色のエクストラが飛来しました!
現地でお話をさせていただいた方のお話を聞くと、室屋氏は予定時間のフライトがキャンセルになっても何かしらの手はずをとってフライトを実現してくれるそうです。逆に全く飛べなかった事は3回くらいしかないそうで、完全空振りで終わることの方が珍しいのだそうです。

 

エクストラ300S

室屋氏のフライトでは背面をこちらに見せてくれるサービスもありました。スポンサー名が入っている航空機はいかにそのロゴを多くの人にみせるかが大切ですし、また小名浜に集まったファンをがっかりさせないという意味からも室屋氏のフライトからはプロフェッショナルの流儀を感じました。

 

エクストラ300S

室屋氏のフライトは天候偵察を兼ねてという説明がありました。実際には機動を含めたいくつかの技を披露してくれましたが垂直系は行いませんでした。

 

エクストラ300S

メイン会場は「いわき・ら・ら・ミュウ」周辺をショーセンターとしていた模様です。私が普段見ているジェット戦闘機とは違い、とても小回りがきくので狭い空域の範囲の中で演技を構成することができます。三崎公園から見るとこんな感じでした。

 

エクストラ300S

かなり遠いです。

 

エクストラ300S

今回お隣の席になった方は福島在住の方で、この室屋氏のフライトを中心に追いかけていると話していただきました。私はミリタリー系が中心なので情報に疎かったのですが、スポーツアクロバティックの世界も色々とあるようで、追いかける航空機ジャンルが違うと持っている情報や興味も少しづつ違うんだなと大変興味深かったです。こちらの分野では競技会があったり、パイロットの後継者育成の問題があったりするようです。

 

エクストラ300S

この室屋氏のフライトが見られたおかげでなんとか救われましたが、私のブライトリング・ジェットチームのイベントは結局一目も見ることができず撃沈となりました。中止が決定されたのが14時30分頃だったので、それから福島空港に移動するというアイデアもありましたが移動時間などを考えるとリスクの方が高く、あきらめることにしました。こういう結果は久しぶりの体験でかなりショックを引きずったものの、今回は我々航空機ファンがメインではなく、被災地の方々を空から応援しようということが趣旨でした。その意味では前日に行われたフライバイや福島空港でのアクロが行われただけでもよかったと思います。ただし大きな被害を受けた沿岸部についてはいずれも天候の影響によりフライトできなかったことは残念で仕方ありません。

 

 

 

ブライトリング・ジェットチーム ジャパンツアースケジュール

5月3日 広島空港に着陸。

5月6日 KOBEメリケンフェスタ2013で洋上アクロバット飛行を実施

5月10日 移動の中継地として航空自衛隊入間基地へ立ち寄り

       福島空港到着時に予行アクロを実施。

5月11日 福島県内ルート飛行(一部ルート変更を行って実施)

       横浜開港祭2013プレイベント(天候不良につき中止)

5月12日 小名浜港アクロバット(天候不良につき中止)

       福島空港から神戸空港に向けて離陸。

 

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